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  1. 企業動向

かんぽ不正販売問題と日本郵政グループの今後

概要

  • 日本郵政グループは9月30日、かんぽ生命の不適切な商品販売の契約調査について中間報告を公表した。
  • 約15万6千人分の約18万件を調査中で、そのうち、契約時の状況などを確認できたのは6万8千件だった。
  • この中から、保険内容の虚偽説明など法令違反の疑いがある契約が約1400件見つかった。

解説

発覚したかんぽ保険不正問題

  • 2019年6月末、かんぽ生命は顧客の不利益となるような契約が複数あったことを発表した。
  • その後不正問題がメディアによって連日報じられ、かんぽ生命は本件の実態に関する調査を開始した。
  • 不正の公表から3か月が経過した9月30日、日本郵政は、かんぽ生命の不適切な商品販売の契約調査に関する中間報告を公表した。
  • 調査の結果、18.3万件の調査対象のうち6.8万件で意向を確認し、1400件の法令違反の可能性があることがわかった。
  • この件で問題になっているのは、一部で強引な営業手法によって、二重払い、不要な乗り換え、予定利率の低下、新規契約の拒否、保険金の支払い拒否、無保険状態の期間の存在といった問題のある契約を結んできた疑いがあるためだ。
  • 日本郵政は政府の出資を受け入れており、かんぽ生命はその安心感もあって保険商品を販売してきた。
  • その信頼に傷がつけば、事業に深刻な影響を与えることになる。
  • かんぽ生命は保険商品の販売を現在自粛しており、まずは調査や再発防止などの対策を進める構えだ。

日本郵政グループの組織構造

  • かんぽ不正問題を語るにあたって、日本郵政グループの全体像を概観したい。
  • まず、日本郵政グループは、持株会社である日本郵政の下に、3つの事業会社がぶら下がることで成り立っている。
  • 1つ目は、100%子会社の日本郵便。全国に2万4千店の郵便局を抱え、郵便・物流事業を営む。
  • 2つ目は、日本郵政が89%の株式を保有する、金融事業のゆうちょ銀行。
  • そして3つ目が、日本郵政が64.5%の株式を保有する、保険事業のかんぽ生命だ。

日本郵政グループの収益構造

  • 2019年3月期の決算資料によれば、日本郵政の売上は12兆7749億円。
  • そのうち、日本郵便の売上は3兆9667億円。
  • ゆうちょ銀行は1兆8454億円。
  • かんぽ生命は7兆9166億円。
  • かんぽ生命が日本郵政グループ最大の稼ぎ頭になっている。
  • なお日本郵便の収益のうち、6000億円がゆうちょ銀行からの手数料収益、3500億円がかんぽ生命からの手数料収益を占めている。
  • 日本郵便は、全国に約2万4000局ある郵便局のうち、7-8割程度が郵便事業で赤字を出していると言われている。
  • その赤字を補てんしているのが、ゆうちょ銀行やかんぽ生命からの手数料収入だ。

かんぽ生命の概要

  • 今回不正が明らかとなったかんぽ生命は、2007年10月、郵政民営化によって誕生した。
  • 保険金額300万円程度の養老保険と終身保険が主力商品で、個人保険の保有契約件数は2889万件にものぼる。

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