1. 産業政策

観賞用メダカの人気が金魚を超える勢いに

概要

  • 近年、観賞用メダカの人気が高まっている。
  • 金魚とよく似た「楊貴妃」や、背中が光る 「幹之 」などの品種が人気で、一部では金魚の人気を上回ったとする声も出てきている。

解説

急激に伸びた
観賞用メダカの需要

  • 近年、観賞用メダカの需要が増加している。
  • メダカは元々飼いやすいことに加え、品種改良により、観賞魚としての魅力が増大していることや、自分でも品種改良を楽しめることが人気の要因だ。

メダカは飼育の手間が小さい

  • 一般に、観賞魚を購入する妨げとなる要因の一つが、飼育の手間だ。
  • 例えば、金魚は水槽を用意し、エアーポンプや水流ポンプ、ライトを準備しなければいけない。
  • さらに、魚の排泄物やコケなどの掃除も定期的に行う必要がある。
  • 一方で、メダカはこうした飼育の手間がかからない。
  • 体が小さいため、水槽は小さくて済み、フンも量がすくないので水槽を掃除する手間も少ない。
  • エアーポンプも不要だとする意見もある。
  • こうした手入れのかからなさは、従来から変わらないメダカの魅力だ。

品種改良で
観賞魚としての魅力が増大

  • それに加えて、近年は品種改良が進み、メダカの観賞魚としての魅力も高まっている。
  • きっかけは、ダルマメダカの突然変異だった。
  • 20年前、突然変異により、体の下半分がダルマのようにぷっくりと膨れたメダカが現れた。
  • そのメダカは体型にちなんでダルマメダカと名付けられ、愛らしい姿から人気を博した。
  • ダルマメダカの出現を契機に、より魅力的なメダカを追求する品種改良が進んでいった。
  • その後、2004年には大場幸雄氏が「楊貴妃」というメダカを生み出し、発表。
  • 見た目が金魚に近く日本人好みで、現在に至るまで大きな人気を博している。
  • 2007年には菅高志氏が、背中が光る「幹之メダカ」を発見。
  • こちらも「楊貴妃」同様、高い人気を誇っている。
  • 消費者が新しい品種や珍しい品種を好むこともあり、品種改良はここ数年特に活発になっている。

消費者の手でも
品種改良できることが魅力

  • もう一つ、メダカの魅力として挙げられるのが、自分で品種改良できる「カスタマイズ性」だ。
  • メダカは繁殖が容易であるため、一般人でも、遺伝的特性の異なるオスとメスを掛け合わせてオリジナルの品種を作ることができる。
  • そうすることで、模様や体型など、自分好みのメダカや、新種のメダカを育てることができるということも、魅力の一つになっている。

人気を後押ししたSNS

  • こうした魅力を持つメダカをブームにまで押し上げた影の立役者がSNSだ。
  • ツイッターやインスタグラムなどのSNSでは、発信者が共感や「いいね」を求め、見栄えのよいものや珍しいものを日々追い求めている。
  • 品種改良によって、見栄えが美しくなったメダカや、新しい品種のメダカは、まさに「SNS映え」するコンテンツだ。
  • まして、自ら手掛けた「新種」ともなれば、なおさらだ。
  • メダカブームは、SNSという時代の追い風も受けて成長しているのだ。

一方で金魚の需要は減少

  • メダカが人気を博している一方、かつて観賞魚の代表格であった金魚の需要は減り続けている。
  • 日本における金魚養殖は、東京の江戸川、奈良県大和郡山市、愛知県弥富市、熊本県長洲町の4つの地域で主に行われている。
  • 全国を網羅した定量的な統計はないが、各地の事業者や行政機関へのインタビューによれば、生産・販売量は年々減少している。
  • 販売量に関する統計を公表している大和郡山市では、ピークを迎えた1998年に8500万匹だった販売量は、2017年には5500万匹にまで減少している。

何故金魚が廃れたか

  • 金魚がの人気が落ちている理由について、書籍「金魚と日本人」を執筆した専門家の鈴木克美氏は、日本人にとって金魚があまりに身近な存在になりすぎ、ありふれた魚になってしまったためだと分析している。
  • 確かに一昔前までは、祭りや縁日では必ずといっていいほど金魚すくいの出店があり、家庭で金魚を飼う人も珍しくなかった。
  • 金魚が「ありふれた魚」となる一方で娯楽が多様化し、金魚に対する消費者の興味関心が薄れていったことは頷ける。

魅力再発信で金魚の再興を狙う

  • 日本では、「金魚離れ」が進んだ結果、金魚の魅力を忘れてしまった人や、そもそも金魚をよく知らない若者が増えていると考えられる。
  • そんな人たちに対し、魅力を再発信していくことが、金魚の失地回復につながりそうだ。
  • 大和郡山市では、23年前から「全国金魚すくい選手権」を毎年開催しており、今では選手2千人、来場者1万人を超える大会にまで成長している。
  • 弥富市では、金魚のご当地キャラクター「きんちゃん」のうたをつくって発信したり、Tシャツやスイーツの販売を行っている。
  • こうした活動が、メダカの普及も後押ししたSNSとの相乗効果により金魚人気を高めることが期待されている。
  • 琉金(りゅうきん)や土佐金などは、長いヒレで優雅に泳ぐ姿が美しいし、新たな品種も生まれている。
  • SNSとの相性は決して悪くない。
  • 江戸時代から日本の夏の風物詩となっている金魚が、今後も広く親しまれることを願いたい。

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