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  1. 企業動向

ウォルマート、銃弾の販売を停止へ

概要

  • 9/3、米小売大手ウォルマートは、拳銃や殺傷能力が高い一部の軍仕様ライフル銃の弾薬の販売を止めると発表した。
  • また、今後は銃器の持ち歩きが認められている州であっても、店を訪れる際には銃器を見える形で持ち歩かないように求める。

解説

立て続けに銃撃事件に
巻き込まれたウォルマート

  • 全米では1日に1件、銃撃事件が起こっていると言われる。
  • 2019年は、8月上旬ですでに、その件数は250件を超えていた。
  • そんな米国ウォルマートで、立て続けに銃撃事件が起きた。
  • 7/30にミシシッピ州のウォルマート店舗内で、従業員が同僚2人を銃で殺害。
  • さらに8/3には、テキサス州エルパソの店舗で、侵入してきた男性が買い物客に向けて銃を乱射。
  • 店内は9月から始まる新学期に向け買い物をしていた客が多く、22名が死亡した。
  • 犯人は白人男性で、1000km以上離れた町から、ヒスパニック系移民が多いエルパソにわざわざやってきて銃を乱射した。
  • おそらく、人種差別的な動機によるものだと考えられている。

的確な対応が取れず
批判を浴びたウォルマート

  • ウォルマートは全米約5000店舗の半数以上で銃を販売しており、銃販売のシェアが大きい。
  • 現在の銃器販売市場におけるシェアは約2%だが、弾丸だけで見れば約20%のシェアがある。
  • 銃撃事件の後も、ウォルマートは従来通り、銃器や弾丸の販売を続けた。
  • すると、これに対し、ウォルマート従業員が抗議声明を発表し、インターネット上で瞬く間に6万以上の署名が間に集まった。
  • さらに、8/13には米ウォルマートのECサイト上で、銃所持賛成を主張するTシャツが第三者ベンダーによって販売された。
  • この情報は瞬く間にSNS上で共有され、ウォルマートへの批判が一層強まった。

批判を受け銃の販売を制限した

  • こうした批判を受け、ウォルマートは9/3に、拳銃や一部の殺傷能力の高い軍仕様ライフル銃の弾薬の販売を止めると発表した。
  • まず、拳銃を唯一販売していたのがアラスカでの店舗だが、そこでの拳銃販売を停止する。
  • 拳銃や急襲用ライフル用の弾丸はそれ以外の店舗で取り扱っていたが、 現在の在庫がなくなり次第販売を停止する。
  • 今後販売するのは、一部の狩猟用ライフルとその弾丸だけだ。
  • さらに、州によっては、周囲に見える形で銃を携帯することが法律上許されているが、ウォルマートは来店客に対して、他人に見える形で銃器を携帯しないよう要請した。

銃販売規制を徐々に進めてきた
ウォルマート

  • 今回対応が悪いと批判を浴びたウォルマートだが、実は近年銃販売規制を進めてきた。
  • 2015年に殺傷能力の高いライフルの販売を停止すると、2018年には、フロリダ州の銃乱射事件を受け、店舗で銃や弾丸を買える年齢を21歳に引き上げた。
  • それに加え、今回は拳銃やその弾丸などの販売を辞める方針まで発表した。
  • ウォルマートはこの3~4年間で、着実に銃の販売を止める方向に動いている。

依然根強い銃保有への支持

  • こうしたウォルマートの発表に対し、NRA(全米ライフル協会)は「ウォルマートは銃反対のエリートたちに屈服した」と非難した。
  • さらに、事件が起きたおひざ元のテキサスでは、事件があったその日に銃規制を緩和した。
  • 駐車場に止めてある車の中や、自分が住む賃貸アパートなどに銃を持ち込むことを禁止してはならない、という州法が成立したのだ。
  • 銃撃事件の悲劇がいつまでもなくならない中にあってなお、米国では銃保有への支持が根強いのだ。

銃保有支持を支える
2つの価値観

  • アメリカ人が銃保有を支持するのには、2つの大きな理由がある。
  • 一つは、自分だけ銃を持たないことは危険だという危機感だ。
  • 米国は多様な人種・宗教の人が暮らす「人種のるつぼ」だ。
  • その中には自分のアイデンティティと利害が対立する集団や、簡単に犯罪に手を染めるグループがある。
  • さらに、銃が多くの人の手に渡ってしまっている。
  • その中で、 自分だけが銃を持たないのは危険だという考えだ。
  • そしてもう一つは、歴史から来る米国人のアイデンティティだ。
  • 米国の始まりは、16世紀後半に起きたイギリスからの入植だった。
  • 入植者たちは徐々に住む場所を西へ広げ、元々そこで暮らしていたインディアンたちと争いが起きるようになった。
  • そこで、自分たちの身は自分たちで守ろうという考えのもと、自警団が組織され、やがて民兵となった。
  • そして1776年、当時英国の植民地だった北米13州は、民兵の蜂起を契機に、銃を取り独立を勝ち取った。
  • こうした米国の成り立ちの経緯もあり、米国では「市民が自らの身を自らで守る」という意識があり、銃はそのアイデンティを実現する手段になっている。

銃に対する価値観
は変わるか

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