1. 企業動向

外資系ファンドが日本の不動産市場に相次ぎ参入

概要

  • 日本の不動産市場に英アバティーンスタンダードインベストメンツ(ASI)、米コールバーググラビスロバーツ(KKR)が相次ぎ参入する。
  • 2019年年7月には米ブラックストーンも日本で物流施設を1,000億円で取得しており、外資系ファンドによる不動産取引が再び活発化している。

解説

日本は運用益が出しやすく
投資ファンドに魅力的

  • 2016年からマイナス金利を導入した日本の市場は、名目利回りは低いが、資金調達費用も少なく抑えられるため、運用益が出しやすい。
  • 不動産の実質的な利回りであるイールドスプレッドは、ニューヨークやロンドンよりも東京の方が高いと言われる。
  • こうした投資環境が、ファンドを呼び寄せる一因になっている。

東京では旺盛な
不動産取引が続く

  • ファンドにとって日本市場が魅力的なもう一つの理由は、不動産取引が活発であることだ。
  • 一時期不動産業界では、2018年以降に、都心の大規模再開発が一気に完了し、オフィスが大量に供給される結果、空室が急増する「2018年問題」が懸念されていた。また、人口減少が続く日本では、構造的に不動産需要が減退していくリスクが常に囁かれてきた。
  • しかし近年は、東京を中心に、人員拡大や立地改善のためオフィスを移転・増床する企業が増加しており、都心にある築浅のビルは満床の状態が続いている。
  • また、コワーキングスペースやシェアオフィスのような、フロアをまるまる借りるタイプのサービスが普及し始めていることで、オフィスの需要が高まっている。
  • 2018年問題が不発に終わり、活発な取引が続いていることも投資ファンドの誘因になっている。

2020年東京オリンピック後の
ハードランディングの可能性は低下

  • 一時期、2020年東京オリンピック後に不動産取引が減退するという悲観論がよく聞かれたが、最近はそれがトーンダウンしている。 東京で2020年以降に竣工が予定されているビルには、既にテナントが数多く内定しており、地方でも再開発などの需要が見えてきているからだ。
  • 大阪では、リーマンショック後のオフィス供給が少なかったため、最近需給がひっ迫している。さらに、2025年には大阪・関西万博が控えていることで、大阪ベイエリアを中心に再開発が進む。
  • また、福岡市では、福岡市が推進する再開発プロジェクト「天神ビッグバン」が進む。
  • 容積率緩和により、天神と博多駅では老朽化したオフィスや商業施設の建て替えが今後数年間かけて行われる。
  • 東京や地方部で需要が見込まれる状況になってきたことで、2020年オリンピック後のハードランディングの可能性は低下してきている。

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